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「防衛装備移転三原則」閣議決定 武器輸出の実質解禁を許すな

2014年4月2日

4月1日、政府は、武器や関連技術の輸出を禁じた「武器輸出三原則」に代わり、「防衛装備移転三原則」を閣議決定しました。このことに対し、怒りを込めて抗議します。

「防衛装備移転三原則」では「防衛装備」(武器の言い換え)の海外「移転」(輸出の言い換え)を禁止する対象として次の3つを挙げています。
①当該移転が我が国の締結した条約その他の国際約束に基づく義務に違反する場合、
②当該移転が国際連合安全保障理事会の決議に基づく義務に違反する場合、又は
③紛争当事国(武力攻撃が発生し、国際の平和及び安全を維持し又は回復するため、国際連合安全保障理事会がとっている措置の対象国をいう。)への移転となる場合

これまでの「武器輸出三原則」は次の3つの場合、武器輸出を認めないとしました。
(1)共産圏諸国向けの場合
(2)国連決議により武器等の輸出が禁止されている国向けの場合
(3)国際紛争の当事国又はそのおそれのある国向けの場合

比較すると3点めの「(国際紛争の当事国となる)おそれのある国」について削除されたということになります。また「紛争当事国」を「国際連合安全保障理事会がとっている措置の対象国」と狭く限定していることにも注意しなくてはなりません。

さらに、「厳格審査」を謳いながら、その基準として「平和貢献・国際協力の積極的な推進に資する場合」のほか、「我が国の安全保障に資する場合」が差し込まれていますが、恣意的な解釈拡大をもたらしかねないものです。

これまでに「武器輸出三原則」には多くの「例外措置」がつくりだされ、多くの武器が実際に輸出されてきました。しかし、法律による規定はないものの憲法の「平和主義」に基づく原則として、これまで一定の「歯止め」として機能してきました。

国会での議論もなく閣議でのみ決定するというやり方は、「解釈改憲」による「集団的自衛権」行使容認をめぐる動きを先取りするものであり、憲法の基本原則である「平和主義」を、なし崩し的に破壊していくことは許されません。