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元米兵による凶悪犯罪への抗議声明

2016年5月27日

戦争をさせない1000人委員会は、下記の声明を発表しました。

元米兵による凶悪犯罪への抗議声明

今年4月、元米兵で米軍属の男性による女性殺害事件が起こった。被害者女性がどれほど怖く、無念な思いをしたかに思いを致す時、女性や家族、関係者に強く同情すると同時に、残虐な手口で犯行に及んだ元米兵に対する強い怒りを感じざるを得ない。

米軍は「再発防止」「綱紀粛正」を約束した。しかし翁長知事が「綱紀粛正と再発防止は何百回と聞かされてきたが、何も変わっていない。米軍基地がある故の犯罪であり、大きな怒りと悲しみを感じざるを得ない」と発言したように、米軍による「綱紀粛正」「再発防止」は凶悪犯罪防止には何の役にも立ってこなかった。

実際、「沖縄怒り『またか』」(『読売新聞』2016年5月20日付)と報じられているように、在日米軍基地が集中する沖縄では、米兵等による性犯罪が頻繁に起きている。現に2016年3月にも沖縄では米兵による準強姦事件が起こっており、そこでも「再発防止」「綱紀粛正」を約束した。その直後のこうした凶悪犯罪である。

こうした事件が起こる一因は、公務中の犯罪については米国側が第1次裁判権をもち、公務外の犯罪でも、米国側が被疑者を確保していれば、起訴までは日本側に被疑者を引き渡さなくてもよいという特権を米兵等に与える「日米地位協定」にある。「非常に強い憤り」(安倍首相)、「許し難く言語道断」(菅官房長官)という発言が本当であれば、凶悪犯罪が起きても日米地位協定の改定を求めてこなかった、いままでの自公政権の態度を改め、安倍自公政権は不平等な地位協定の改定を強い姿勢でアメリカに要求すべきである。

そして、そもそもの問題として、私たちは再び女性がこのような悲惨な犯罪の被害者になることを防ぐためにも、沖縄の米軍基地を縮小・撤去させることを日米両政府に強く求める。

米兵等の性犯罪は世界中で起きており、アメリカ議会が国防総省に調査を義務づけたために2004年以降は報告書が毎年出されている。今年5月5日に国防総省が発表した年次報告書でも、米兵等の性犯罪で6083人もの被害者が出ている。性犯罪という性格上、この数字は氷山の一角に過ぎないが、多くの女性が米兵等の性犯罪の被害者となっていることは否定しようのない事実である。軍隊がけっして市民を守らないばかりではなく、常に女性の性暴力被害を生み出してきた現実は、戦前・戦後の沖縄の歴史を見れば明らかである。

再び女性をこうした悲惨な事件の被害者にさせないためにも、私たちは沖縄における駐留米軍の存在そのものを問う必要があると考える。辺野古への新基地建設を直ちに断念し、沖縄にある米軍基地を縮小・撤去することを日米両政府に強く求める。

2016年5月27日
戦争をさせない1000人委員会