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【壊憲・改憲ウォッチ(22)】防衛省による世論誘導と「安保3文書」

2023年1月23日

飯島滋明(名古屋学院大学、憲法学・平和学)

【1】「防衛省、世論工作の研究に着手 AI活用、SNSで誘導」

上記は『共同通信』2022年12月9日配信記事の題名です。以下、この記事を引用します。

「防衛省が人工知能(AI) 技術を使い、交流サイト(SNS)で国内世論を誘導する工作の研究に着手したことが9日、複数の政府関係者への取材で分かった。

インターネットで影響力がある「インフルエンサー」が、無意識のうちに同省に有利な情報を発信するように仕向け、防衛政策への支持を広げたり、有事で特定国への敵対心を醸成、国民の反戦・厭戦の機運を払拭したりするネット空間でのトレンドづくりを目標としている。

中国やロシアなどは「情報戦」に活発に取り組む。防衛省は、日本もこの分野の能力獲得が必要だと判断した。 改定される安全保障関連3文書にも、情報戦への対処力向上を盛り込む」

【2】防衛省による世論誘導と「安保3文書」

上記記事では、防衛省がAIを活用して世論誘導すると記されています。

そして「改定される安全保障関連3文書にも、情報戦への対処力向上を盛り込む」とされています。

実際、「防衛力整備計画」8ページには以下のように記されています。

「情報戦対処の中核を担う情報本部において、情報取集・分析・発信に関する体制を強化する」(太字強調は筆者による)

「安保3文書」では、防衛省が世論誘導することも打ち出されています。