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【壊憲・改憲ウォッチ(35)】2023年11月16日衆議院憲法審査会を傍聴して

2023年11月21日

飯島滋明(名古屋学院大学、憲法学・平和学)

2023年11月16日衆議院憲法審査会。傍聴して感じたことを2点、指摘します。

最初に、「国会議員の任期延長の改憲論」は岸田自公政権が進める「戦争する国づくり」の一環ということです。与党筆頭幹事である自民党の中谷元氏は、「ウクライナの選挙で、今年10月の議会選挙は既に延期をされております。そして来年3月の大統領選挙についても、ゼレンスキー大統領は、国民の分断を防ぐために、今は選挙に適切な時期ではないと発言をして、選挙の延期を示唆をしております」と発言しました。

北川一雄公明党議員もウクライナの議会選挙や大統領選挙に言及して、国会議員の任期延長の改憲論を主張しました。自民党の中谷元氏、公明党の北側一雄氏の発言は、戦争遂行に際して選挙を延期することも「議員任期延長改憲」の目的であることを示しています。

自民党、公明党、国民民主党は、首相や大臣、国会議員の給料を上げる法律を成立させようとする「お手盛り」をしようとしています。その上、選挙もしないでその地位に居座り続けるための憲法改正を主張し続けています。物価高や実質賃金減少が続き、生活が大変になっている国民には「増税」のオンパレードなのに、自分たちの給料を上げる法律を成立させ、国会議員の地位に居座ることを可能にする「国会議員任期延長の憲法改正」を認めることができますか? 憲法的にも、主権者の権利である「投票権」を延期するという点で「国民主権」(憲法前文、1条)からも正当化できません。

さらに、「戦争する国づくり」の一環として、戦争等の際に選挙の延期を可能にする「議員任期延長の改憲論」は憲法の平和主義からも正当化できません。

次に、憲法審査会での「態度の悪さ」の問題です。授業中、私語をしている学生には私も注意します。2023年11月16日の憲法審査会での自民党、維新の会、国民民主党の態度の悪さはひどかったです。自民党の議員は「欠席」が目立ちます。他の議員が発言している最中、日本維新の会や国民民主党の国会議員は頻繁に私語をしていました。特に日本維新の会の小野議員と国民民主党の玉木議員のマナーの悪さは目に余りました。重要な議題である「憲法改正」を議論する態度としては極めて問題です。とくに公明党の大口議員の発言中、維新の小野氏と玉木氏はかなりの時間、私語をしていました。人が話をしている最中には私語をせずにきちんと聞くというのが「大人のマナー」です。ましてや憲法を論じる態度として、日本維新の会と国民民主党の議員の私語の多さは社会人としての常識に欠けています。

日本維新の会は、憲法審査会をテレビ中継するように主張しています。私も賛成です。私も憲法審査会はできる限り傍聴していますが、そこで感じるのは日本維新の会の「態度の悪さ」です。憲法審査会で日本維新の会の国会議員は憲法論議だけでなく、主に立憲民主党や共産党を批判する場にもしています。憲法審査会を他党批判のための場とするのであれば「憲法審査会」を開く必要は全くありません。テレビ放映が実現すれば、どれほど自民党議員の欠席が多いか、どれほど日本維新の会の国会議員の態度が悪いか、こうした態度が憲法を論じる態度として適切か、全国に放映されるでしょう。